2025年春アニメとして制作されたものの中に「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」という作品がある。
ガンダムシリーズという作品は扱いが難しい。
国民的作品であるが故にシリーズに対してファンが抱く心情は人それぞれとなってしまいがちだ。

例えば正史しか認めない人。
これは所謂懐古主義的ガノタに分類される。
正史がどこまでかの判断は人によるようだが、一般的には以下の物が正史として考えられる。
・機動戦士ガンダム(所謂1年戦争、初代などと呼ばれる)
・機動戦士Zガンダム
・機動戦士ZZガンダム(これは認めない人も多いがストーリー的には完全に正史に含まれる)
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
・機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
・機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー

また、極めて正史に近い作品としては以下とされる。
・機動戦士F91
・機動戦士Vガンダム

これら以外の作品をガンダムシリーズとして認めない人も多く、実は私もその一人である。
そこには一体何があるのかといえば、それは「富野監督に対するリスペクトだったのだ」と実感させてくれたのが本作ジークアクスだと思う。

何が言いたいかというと、富野色が濃く無い作品であるにも関わらず、ガンダムシリーズでお勧め5本を教えて欲しいと言われれば間違いなく本作は挙がると確信しているからである。

では何故私が本作をそこまで評価するかというと、富野監督へのリスペクトが嫌というほど伝わってくる点と、ガンダムという名前の重さに負けない作り込みがなされていると感じられる点、ガンダムシリーズに一風変わった作品の風をもたらしたその功績は極めて偉大だと感じた為だ。

ガンダムシリーズという作品はどうしてもテーマが戦争という事になりがちで、敢えてそこを避けてみる事を試みる風潮が近年のガンダムシリーズにはあったように思えるが、このテーマを避けようとすればするほど作品としてはガンダムから遠ざかってしまい、往年のファンからは敬遠される風潮が強い。
また、ニュータイプというテーマも同様である。但し、ニュータイプというテーマは特に扱いが難しく、これをテーマとしてしまうと正史に組み込まなければならなくなり、富野監督以外がこれをやろうとすると色々と躓く事が多い。

そんな中、本作はテーマも全て戦争・ニュータイプというテーマに真っ向から挑み、その上で+αの独自アレンジを見事に加えて、過去作を巻き込みながら見事に表現し切った名作であると結論づけている。

欲を言えばやはり全12話というのは短く、全24話構成で見てみたかったというのが本音ではある。
正直、メインキャラであるシュウジ・ニャアンの心情が捉えきれず、

シュウジ=ただのイっちゃったニュータイプ
ニャアン=自己中コミュ障気味なチョロイン娘

という印象になってしまったので、マチュ以外の主要キャラに感情移入が難しかったのと、伏線回収的にいくつか回収できていないポイントが残ってしまっている点が不満点だが、全12話構成という点を考えれば十分すぎる名作である。
それ故にシュウジ・ニャアンの心情回、伏線回収回を入れて全24話構成で見たかった作品だ。
とは言え、12話構成でこれだけ詰め込んで話を破綻させずに走り切った点も大きな評価ポイントなのだろうから、全24話だとそれはそれで物足りなかったのかもしれない。

By Michy